離婚協議書/公正証書

離婚協議書のサンプルと書き方

2020年10月17日

離婚条件について何となく話し合いはしたがこのまま離婚するのは心配。

話した内容を書面に残したいが書面の作成方法がわからない。

他にも決めることや話し合いが必要な事があるのでは?

このような悩みをお持ちの方の疑問を解消します。

本記事で解決できること

  • 離婚協議の内容を書面に残したいけど書き方がわからない
  • 言った/言わないと後でモメたくないので書面にしたいがどうすればいいか?
  • 離婚協議書は自分で作成できるのか?
  • 離婚協議書にはどんな事を書くのか?
  • 公正証書との違いは何?
  • 行政書士に依頼すると費用はいくらくらいかかるの?

もくじ

1:離婚協議書のサンプルを見てイメージをする

まずは下記の離婚協議書サンプルを確認して、離婚条件を文章にするとどのような書面になるのかイメージをしましょう。

              離 婚 協 議 書(サンプル)

第1条(離婚の合意)
夫・●●●●(以下「甲」という。)と妻・●●●●(以下「乙」という。)は、本日、両者間の未成年の長男・●●●●(以下「丙」という。)及び長女・●●●●(以下「丁」という。)の親権者を母である乙と定め、乙において監護養育することとして協議離婚(以下、「本件離婚」という。)をすること、及び、その届出は●月●日までに行うことを合意し、かつ、本件離婚に伴う給付等について次のとおり合意した。

第2条(養育費)
1 甲は、乙に対し、丙の養育費として、令和●年●月から令和●●年●月まで1か月金●万円の支払義務のあることを認め、これを、毎月末日限り●●銀行の●名義の貯金口座●●●に振り込んで支払う。振込手数料は甲の負担とする。
2 同様に丁の養育費について記載する
3 甲及び乙は、丙及び丁の進学、病気等により特別の費用を要するときは、その負担割合についてその都度誠意をもって協議して決定することとする。
4 甲及び乙は、それぞれの失職・再婚等経済状態の変化、丙及び丁の長期入院その他生活状況の変化、物価等経済情勢の著しい変動その他の養育費の額に影響する事情の変更があった場合には、協議の上、第1項及び第2項の養育費の金額を増減変更することができる。

第3条(面会交流)
1 乙は、甲が丙及び丁と面会交流することを認める。
その具体的な日時、場所、方法等は、甲が乙と事前に協議の上、丙及び丁の意思と福祉を最も優先し考慮しながら実施することとする。

第4条(慰謝料)
1 甲は、乙との婚姻期間中に●●●●と親密な関係になり不貞行為をしていたことを認める。
2 甲は、乙に対し、前項記載の行為によって乙が被った精神的苦痛に対する慰謝料及び本件離婚に伴う財産分与として合計金100万円の支払義務のあることを認め、これを下記のように分割して、乙名義の●●銀行●●支店の普通預金口座●●●●に振り込んで支払う。振込手数料は甲の負担とする。

令和●年●月から令和●年●月まで毎月末日限り1か月金●万円ずつ(合計●回)

第5条(財産分与)
1 甲及び乙は、婚姻中に取得し、甲名義になっている下記不動産(以下「本件不動産」という。)につき、財産分与として、本件離婚後も甲が所有することを合意し、乙は本件不動産の所有権の分与を求めないものとする。

(1) 土地
所在
地番
地目
地積
(2) 建物
所在
家屋番号
種類
構造
床面積
2 本件離婚成立後、本件不動産には、甲が居住することとする
3 甲は乙の引越しに必要な資金について全額負担することを乙に約束する。
4 甲及び乙は、婚姻中に各自の名義で保有していた預貯金について、本件離婚後も引き続き甲名義のものは甲に、乙名義のものは乙にそれぞれ帰属することに合意する。

第6条(年金分割)
甲(第1号改定者)と乙(第2号改定者)は、厚生労働大臣に対し、対象期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定又は決定の請求をすること及び請求すべき按分割合を0.5とすることに合意する。
〔甲の基礎年金番号〕
記号:
番号:
〔乙の基礎年金番号〕
記号:
番号:

第7条(通知義務)
甲及び乙は、互いに、住所、勤務先、連絡先(電話番号、メールアドレス)を変更したときは、遅滞なく相手方に通知するものとする。

第8条(清算条項)
甲及び乙は、本件離婚に関し、以上をもって円満に解決したことを確認し、本協議書に定めた事項以外に財産分与、慰謝料請求等名目の如何を問わず、お互いに何らの金銭的請求をしないことを相互に約束する。

2:どの項目をどのくらい細かく記載するかを決める

離婚協議書の内容はご夫婦によって様々です。
今までのお二人の関係性や離婚後のかかわり方によっても様々です。
ざっくりと大きな約束だけを決める場合もあればトラブルにならないように細かく決めて書面にしっかり残す方もいらっしゃいます。どこまでの範囲で約束をするのかは離婚の原因となった事情や状況によっても異なります。早期解決を目指すには相手方の意見も尊重しながら慎重に決めていくことが大切です。

それでは項目ごとに考慮する内容を確認していきましょう。

①離婚の合意・離婚届

夫と妻がお互いに離婚に合意していることを記載します。
離婚届を出す時期や夫と妻どちらが離婚届を出すか等、詳しく決めて記載しても良いです。
どちらが離婚を申し入れたか、離婚の原因となった出来事など詳しく記載することもできます。

②親権・監護権

子供の監護、養育、親権について記載します
基本的に監護・養育する親が親権をもちますが、事情により監護・養育するのは妻、親権は夫と別にする方もいます。
監護・養育するものが子供を育てることについて心配がある場合はきちんと育てることを約束するよう記載する場合もあります。
離婚後すぐは夫が育てるが後に妻が子供を引き取る予定である等、複雑な事情がある場合はその旨記載します。

③養育費

養育費を記載する前に次のことを決めましょう。
・養育費の金額は兄弟姉妹全員でいくらかではなく、お子さん1人に対していくらか決めます。
・養育費をいつからいつまで支払うのか(大学卒業までまたは高校卒業までで決める方が多いです、民法改正により成人年齢が18歳になりますので、成人までと取り決めず●年●月までと明確に決めます。)
・中学、高校、大学の進学費用はどちらがどのくらい負担するのか
・養育費の振込口座は誰の口座にするのか(お子さんの口座にする場合は一番下の子の口座に指定します)
・塾代や習い事の月謝はどちらが負担するのか
・学資保険は解約するのか、名義変更をするのか
・子供名義の預貯金はどのように分配するのか
・ボーナス時やお子さんの誕生日に養育費を増やすか(基本的に養育費は月払いですが、一括払いやボーナス時に増額して支払う場合はその旨記載します。)

④面会交流

面会交流はそれぞれの夫婦で取り決めが大きく異なります。
細かく取り決めをしない、または面会交流にあまりこだわりがない場合はサンプル文章でも十分です。
細かく取り決めたい場合は下記を参考にしてください。
・面会交流は何時まで実施するのか
・月に何回くらい面会交流を実施するのか
・宿泊を伴う面会交流は実施するのか
・交通費等、面会交流に伴う費用はどちらが負担するのか
・子供の学校行事や習い事の発表会等は出席するのか
・LINEやE-mail、電話等の交流を許可するか
・面会交流に付き添いする人を指定するか

その他、面会交流で不安や心配な事があれば細かく記載しても良いでしょう。

⑤財産分与(土地・建物)

共有財産の不動産がある場合は、後ほど揉めないようになるべく細かく内容を記載することをおすすめします。

■不動産を売却する場合
・いつから売りにだすのか
・売却益をどのように分配するのか
・売却益をいつまでにどの口座に振り込むのか
■不動産を売却しない場合
・どちらが不動産に住むのか
・家具、家電はどのように分配するのか
・退去者の引越し費用はどちらが負担するのか
・住宅ローンの支払いはどちらが負担するのか
・税金や修繕費用等、不動産を維持するための費用はどちらが負担するのか

⑥その他の財産分与

夫婦の共有財産に関してどちらが所有するのかを記載します。
・預貯金はどのように分配するのか
・カードローンや借金がある場合は負担割合をどうするか
・車がある場合はどちらが所有するのか
・高額な家具家電はどちらが所有するのか
・ペットはどちらが引き取って飼育するか

⑦その他必要があれば記載する項目

・相手方に精神的・金銭的迷惑をかけない事を約束する
・本協議書の内容を第三者にもらさないよう約束する
・電話番号・メールアドレス・住所・再婚した旨等の連絡先変更は速やかに連絡するよう約束する
・トラブルが起きて調停や裁判になった場合、どちらの住所を管轄する裁判所で実施するかを決める

3:自分で作成するか依頼をするか決める

書面にする項目と記載する内容が決まったら自分で作成するか弁護士、行政書士に依頼をするのかを考えます。
それぞれどのようなメリットとデメリットがあるか考えてみましょう。

■自分で作成する場合
メリット
・費用がかからない
・夫婦二人だけで完結する
・堅苦しくない文章で作成することもできる
デメリット
・協議書の文章が矛盾したり意味が定まらない可能性がある
・二人では十分と思っても大事なことが抜け漏れる可能性がある
・調べて作成するのに手間と時間がかかる
・自分で思っていることがなかなか文章にできない

■弁護士/行政書士に依頼する場合
メリット
・抜け漏れのない書面を作ってもらえる
・文章が矛盾したりおかしいという失敗がない
・専門家に作ってもらったという安心感と納得感がある
・自分で調べたり作成したりする手間がかからない
・記載してほしいことを文章にしてくれる
デメリット
・お金がかかる
・相手方によってはそんなに大事にしなくていいと怒ってしまうこともある
・自分と相性の合う先生が見つからないこともある

■弁護士と行政書士の違い
・弁護士さんの方が料金は高いですが、万一、書類作成で揉めてしまい離婚協議を一からやり直さなくてはならなくなった時に代理人として夫婦の間に入って相手方と交渉してもらうことができます。行政書士の方が料金は安いですが夫婦間で揉めてしまった場合、行政書士は何もお手伝いすることができません。

■依頼するなら離婚業務に精通した弁護士、行政書士がおすすめ
一言に弁護士、行政書士と言っても対応できる業務の範囲がべらぼうに広いです。得意分野と不得意分野、よく受ける案件とあまり受けない案件があるのは当然です。もちろん離婚業務が得意でメインで仕事しているほうが知識も実績もあります。

当事務はたくさんの業務を扱う行政書士には珍しく離婚業務のみ専門で事務所運営をしております。

4:離婚協議書を離婚公正証書にするかどうか決める

最後に離婚協議書を公正証書にするかどうかを決めます。離婚協議と公正証書の違いを確認してみましょう。

■離婚協議書
完成した書面に双方が書面、押印してそれぞれが一部ずつ保管します。
養育費や慰謝料など金銭の取り決めがある場合は執行力がありません。無くしたりそんな書面知らないと言われると面倒になります。

■離婚公正証書
札幌の場合は大通にある公証役場に行って離婚協議書を公正証書にしてもらいます。平日の日中に予約をして夫婦2人で行くので手間がかかります。養育費や慰謝料、不動産の金額によって作成手数料がかかります。
養育費、慰謝料等の金銭の支払いは執行力がつきますので不払いになったときに強制執行ができます。公証役場に書面が保管されますので無くしたりそんな書面作ってない、知らないなどの言い訳はできません。公証人の面前で内容確認をするので約束はしっかり守らなければならないと心理的抑制にもつながります。

■公正証書にしたほうが良い内容
・住宅ローンが残っている不動産(土地、建物)の財産分与がある
・養育費、慰謝料の不払いが心配。いざというときに強制執行できるようにしておきたい。
・紛失や偽造等のトラブルを避けたい

■協議書でも良い内容
・住宅ローンが残っている不動産の財産分与がない
・慰謝料、養育費等の金銭の取り決めがない、または不払いになっても強制執行するつもりはない

※不動産の財産分与がある場合はご自身で作成するのはかなり困難ですし、調べたり作ったりするのに莫大な時間がかかりますのでおすすめしません。
ご自身で作成すると決めたら抜け漏れや文章の矛盾等があっても仕方がないくらいの気持ちでいましょう。
作成した協議書の添削をしてくれる弁護士や行政書士もいますが、相談料も安くないので最初から依頼したほうが割安になる場合もあると思います。

5:当事務所に依頼する場合

・まずはお電話相談のご予約をお願いします。
・しっかりお話しを聞いて原稿を作成します。
・お申し込みから約一週間程度で初回原稿をLINEまたはメールでお渡しします
・修正は何回でも無料です
・完成した原稿は印刷してご自宅まで郵送します。
・5万円〜7万円で内容により変動します。初回の電話相談でお見積もり金額をご提示します。
・分割払い、クレジット払いOK
・全国対応します。
・プラス1〜2万円で公正証書作成サポートまで受付。
・公証人との原稿うちあわせ、予約等、必要なやり取りはすべて当事務がおこないますのでお客様は予約日に公証役場に出向くだけでOKです。所要時間も30分から1時間ですみます。お問い合わせは下記のラインボタンをクリック
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