離婚する事が決まり、離婚の条件も何とか話すことができた。
離婚協議書や離婚公正証書として離婚条件の書面を作成したいけれど、相手が書類の作成に応じてくれない。。。
「俺の言ったことを信用できないのか!?」「そんな大げさな事はしなくてもいい」「口約束で十分だ」「書面を作るなら一人で勝手に作れ」
このような事を言われると、離婚後も本当に約束を守ってくれるのか不安になりますよね。
しかし、相手の機嫌をこれ以上悪くすると、せっかく決まった離婚条件をひっくり返されても面倒。
この記事ではこのような場合にはどのように対処したらよいのかを解説していきたいと思います。
金銭の支払い約束がある場合は書面で
養育費や慰謝料など離婚後に支払うことになる金銭の約束がある場合は書面を作成したほうが良いでしょう。
万が一の不払いに備えて、できれば公正証書の作成をおすすめしますが書面の作成を拒否している場合は公正証書の作成は難しくなります。
相手方が委任状に署名捺印してくれれば良いのですが、その場合は委任状と一緒に公正証書の仮原稿にしっかりと目をとおしていただく必要があります。
公証役場は平日の昼間に行かなければならないので、強制執行ができるようになる書類をわざわざ会社を休んでまで作りにいくのは気が進まず「平日だから無理」と拒否をする人もいるでしょう。
公正証書の仮原稿にしっかりと目を通してくれそうな相手方なら委任状を作成して代理人に作成をお願いするという方法もありますが公証役場によっては代理人での作成は遠方などの理由がない限り受付しないという場合もありますので注意が必要です。
公正証書が無理なら離婚協議書
公正証書の作成が難しいようなら離婚協議書の作成を検討してみましょう。
公正証書のように重々しい書面を作成するのを嫌がる人もいます。そういう面では離婚協議書は夫婦間の契約書ですので、用紙の大きさも文字の大きさも自分で自由に決めることができます。
離婚協議書の作成は専門家に依頼して、漏れなく正しい文章で作成することをおすすめします。
もし、時間や費用の関係で専門家に依頼することが難しい場合はインターネットで離婚協議書のサンプルを探してご自身で作成されても良いでしょう。
当事務所でも離婚協議書のサンプルを公開していますのでこちらのページからご確認ください。
離婚協議書も難しい場合は
離婚協議書も難しい場合は、手書きで書面に約束を書いてもらうという方法もあります。
しかし、離婚協議書とは異なりメモ書きのようになってしまう場合もありますので注意が必要ですが、何もないよりはあった方が良いですので、お金を払う側の方に自筆で約束した内容を書いてもらうと良いでしょう。
離婚協議書のサンプルを参考にして手書きで書いてもらうのも方法です。
実際に裁判になった時にどのくらいの証拠価値となるかはその書面に書いてある内容によって変わってくると思いますので可能であれば離婚協議書を作成して署名捺印してもらう事をおすすめいたします。
調停を申し立てる
そもそも離婚条件の書面を作成するのを拒否するという事は約束を守るという気持ちが薄い可能性が考えらえます。
特に養育費は子供のために支払わなければならないお金です。その養育費を約束する書面の作成を拒否するという態度は途中で養育費を払わなくなる可能性があるのでは!?と疑っても良いかもしれません。
もし途中で支払いをしなくなる可能性が高い状況(転職を繰り返している、お金にだらしない、借金がある)であるのに書面の作成を拒否している場合は養育費支払の調停を申し立てる事も選択肢の一つです。
調停や審判で養育費の金額が決まれば、調停調書や審判書が作成されますので公正証書と同様に執行力のある書面となります。
養育費の支払いに不安がある場合は調停も検討材料の一つでしょう。
相手方にも有利な書面であることを伝える
養育費や慰謝料の支払いをしなければならない側としては書面の作成は気が進まないかもしれません。
しかし、離婚協議書や公正証書は夫婦お互いの意見を盛り込んで双方にメリットがあるように作成することももちろん可能です。
例えば面会交流の頻度や状況を細かく約束したり、子供を引き取る母親が子供の面倒をしっかりみるように約束したりすることもできるのです。
また養育費は決まった金額を払わなければなりませんが、逆に決まった金額以外を請求される心配がなくなるとも言えます。
書面の作成を拒否している相手方にも約束をしてほしい事はあるはずです。相手方の希望も書面に入れることができるという事をきちんと説明することで書面の作成に同意してくれる事もあります。
相手方には手間をとらせない事を伝える
離婚協議書の作成は書面が完成したら相手方に読んでもらい署名捺印してもらうだけで完成です。
相手方に手間はとらせない事を伝えて「読んで納得してくれたら署名捺印してほしい」と伝えてみるのも方法です。
「勝手にすれば」と言われたとしても、書面を作成して目の前に出されたら拒否するのは難しい状況になる場合もあるのです。
専門家が作成したと思われる書面が目の前にあると納得して署名捺印する場合もあります。
相手方がモラハラ気質の場合
「書面を作るなら養育費は払わない」「俺の事を信用できないならお金は払わない」このように相手方がモラハラ気質の場合は注意が必要です。
相手の機嫌を損ねると「じゃぁお金は払わないよ」と言われる可能性があります。
しかし、書面で約束をしていないということは相手方に支払う意思があるのかよくわからない状況であるとも言えます。
もし、書面で約束しないと決めるなら約束を守ってくれない可能性も考えておかなければなりません。
書面で約束をしたからといっても絶対ではありませんので、支払いをしない人もいますが、口約束よりは少なくなると思います。
相手方がモラハラ気質の場合であなたに不利な条件を出してきたり算定表よりも低い金額の養育費しか払わないと主張している場合は弁護士さんに相談したり調停を申し立てる事も考えてみましょう。